人魚の眠る家 | 東野圭吾 | レビュー(ネタバレ無し)

 

 「人魚の眠る家」は、東野圭吾の人気作品で、2018年に映画化もされています。

 そんな人気作品の、リアルな感想を書いていきます。

 

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 この本自体のテーマは脳死

 脳死を人の死とするか、というのは難しい話だ。

脳死というのは脳のすべて機能が不可逆的に停止すること。

 

 脳のすべての機能が停止していることを確かめることはできない。人間は脳の機能をすべては把握できていないから。

 世界のほんどの国では脳死は人の死と見なされる。しかし日本は違う。日本は臓器移植法で、臓器を提供する意思がある場合に限って脳死を人の死ととらえる、と定められている。死に対する個人の向き合い方を尊重しているとも捉えられると思う。

 自分の子供がプールで溺れて、病院に搬送された。一命は取り止めたが、医師には脳死だろうと言われた。しかし子供はドナーカードを持っていないので、臓器提供をするかどうかは両親に委ねられる。

 両親が臓器提供をする、と答えた場合のみ脳死判定を行い、脳死を死と見なす。

 しないと答えた場合は、脳死を死と見なさないから、脳死判定は行わずに延命治療が続けられる。

 親の選択によって子供の生死が決まることになる。脳死した状況から回復したケースは今まで世界で1件もないが、臓器移植をすると他の子供を救えるかもしれない。

 さあどうしますか、というのがこの本の話。
 

 生きるということが周りの人を幸せにすることだとしたら。脳が機能していなくても自分の存在によって元気をもらえる人がいたら生きているということになるのかな、などと感じた。 

 

 

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